寂しさや須磨にかちたる濱の秋

 

  浪の間や小貝にまじる萩の塵

 

    色 の 浜   色の浜 中秋の名月    ますほの小貝
 

 空霽たれば、ますほの小貝ひろはんと、種の濱に舟を走す。海上七里あり。天屋何某と云もの、破籠・小竹筒

などこまやかにしたゝめさせ、僕あまた舟にとりのせて、追風時のまに吹着ぬ。濱はわずかなる海士の小家にて、 

侘しき法花寺あり。爰に茶を飲酒をあたゝめて、夕ぐれのさびしさ感に堪たり。

 

 十六日(陽暦九月二十九日)芭蕉は天屋玄流の手配で、海路色の浜を訪ねた。それは西行ゆかりの歌枕の

地であったからである。現在の色の浜は小さな漁港の間に狭い砂浜が残り、「侘しき法花寺」の本ヘ寺がある小さ
な漁村である。
 
 本ヘ寺「芭蕉翁杖跡 萩塚」
    句 碑
    句 碑
 開山堂「寂塚」

 

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