象潟や雨に西施がねぶの花

 

  汐越や鶴はぎぬれて海涼し

 

  象潟や料理何くふ神祭    曾良    

 

  蜑の家や戸板を敷て夕涼み    低耳

 

  波こえぬ契ありてやみさごの巣    曾良

 

 
   象潟九十九島    蚶満寺山門   蚶満寺 芭蕉像
 

 風景一眼の中に盡て、南に鳥海天をさゝえ、其陰うつりて江にあり。西はむや々々の関路をかぎり、 東に堤

を築て秋田にかよふ道遙に、海北にかまえて浪打入る所を汐こしと云。江の縦横一里ばかり、俤松嶋にかよひ
て又異なり。松嶋は笑ふが如く、象潟はうらむがごとし。寂しさに悲しみをくはえて、地勢魂をなやますに似たり。

 

 芭蕉は、蚶満寺の方丈からの象潟をこのように描写し、松嶋と象潟を印象的に比べている。
雨が激しく吹浦に一泊して六月十六日(陽暦八月一日)象潟に入り十八日には酒田に向けて出立している。
 
  JR象潟駅前 芭蕉文学碑 (蚶満寺所蔵 芭蕉「象潟三詠懐紙」から)
     象 潟
  きさかたの雨や西施がねぶの花
     夕方雨やみて処の 

     何がし舟にて江の中を

     案内せらる
  ゆふ晴や桜に涼む波の華 
     腰長の汐といふ処は
     いと浅くてヤおり立て
     あさるを
  腰長やヤ脛ぬれて海涼し
          武陵芭蕉翁桃青
  能 因 島
  蚶満寺本堂裏 句碑
  芭蕉像横 句碑

 

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